昨今、テック業界で大きな話題となっているのが、「AppleがiPhoneの次期AI機能として、Googleの『Gemini』を採用するのではないか」という噂です。
長年のライバルであるAppleとGoogleが手を組む──。一昔前なら考えられなかったことですが、現在のiPhoneを取り巻くAI事情を考えると、この流れは必然と言えるのかもしれません。
今回は、一人のiPhoneユーザーとして感じる「Apple Intelligenceへの正直な期待外れ感」と、もしGeminiが搭載されたら何が変わるのかについて深掘りします。
「Apple Intelligence」は期待外れだったのか?
iOS26とともに華々しく登場した「Apple Intelligence」。Siriが劇的に進化すると期待していたiPhoneユーザーは多かったはずです。しかし、実際に日々使ってみて感じるのは、「期待していた未来とは程遠い」という現実です。
1. Siri単体ではまだ「使い物にならない」
現状、Siri単体で完結できるタスクはあまりにも限定的です。 AppleはOpenAIと提携し、SiriからChatGPTを呼び出せるようにしました。確かにこれにより、回答の精度自体は上がりました。
しかし、その挙動はあくまで「Siriがユーザーの指示をChatGPTに投げ、返ってきた答えを表示する」というもの。この「経由する」プロセスにはタイムラグがあり、正直なところ効率が良いとは言えません。「シームレスなAI体験」には程遠いのが現状です。
2. Android版Geminiに見劣りする「速度」と「質」
この差は、Androidスマートフォンで「Gemini」を使った時に決定的なものとして感じられます。
AndroidにおけるGeminiは、OSレベルで統合されたアシスタントとして機能しています。指示した内容はダイレクトにAIが解析・処理するため、Siriを経由するiPhoneに比べて回答速度が断然速いのです。
また、回答の質にも大きな違いがあります。
- Siriの場合: タイマーセットや予定追加などの単純作業は得意ですが、少し複雑な質問をすると、「Webでの検索結果を表示します」とブラウザへ誘導されて終わることが多々あります。
- Geminiの場合: 検索結果を並べるのではなく、AIが情報を解析し、要約した文章で回答を返してくれます。
「自分でリンクを開いて探す」のと「答えを教えてくれる」のとでは、アシスタントとしての有用性に雲泥の差があります。
なぜAppleはGoogleと手を組むのか?
自社開発にこだわるAppleが、なぜ宿敵Googleの力を借りようとしているのでしょうか。そこには明確な「苦手分野」の存在があります。
Appleは、デバイス内(オンデバイス)で処理するプライバシー重視のAI処理には強みを持っています。しかし、膨大なデータをクラウド上で処理し、複雑な推論を行う「クラウドベースの生成AI」に関しては、Google(Gemini)やOpenAIに大きく遅れをとっています。
今のSiriに足りない「賢さ」や「知識量」を補うためには、すでに検索エンジンとYouTubeなどで膨大なデータを学習済みであるGoogleのインフラを借りるのが、最も現実的で強力な解決策なのです。
Gemini採用でiPhoneはどう変わる?
報道通り、Apple Intelligenceの一部としてGeminiが統合された場合、私たちのiPhone体験はどう変わるのでしょうか。
- 「検索できないSiri」からの脱却
Geminiが得意とする「検索・要約能力」がSiriに組み込まれれば、「Webの検索結果を表示します」というSiriの常套句を聞かずに済むようになるかもしれません。最新ニュースや複雑な調べ物に対して、的確な要約回答が期待できます。 - AIモデルを選べる時代へ
Appleの構想では、文章作成にはChatGPT、検索や情報収集にはGemini、といったように、ユーザーが用途に合わせてAIモデルを切り替えられるようになる可能性も示唆されています。 - Google系アプリとの連携強化
iPhoneユーザーでもGmailやGoogleカレンダー、Googleドキュメントを使っている人は多いはずです。Geminiが統合されれば、これらのアプリとSiriがスムーズに連携し、Androidのようなシームレスな操作感が実現するかもしれません。
結論:競争から協調へ、次期iOSへの期待
現在のSiriとApple Intelligenceに対する不満は、裏を返せば「iPhoneならもっと便利になるはずだ」という期待の裏返しでもあります。
Siriの「遅い・答えられない・連携しない」という三重苦が、Googleとの提携によって解消されるのであれば、これほど歓迎すべきことはありません。プライバシー保護を重視するAppleと、データ活用を得意とするGoogle。水と油のような両社がどのように融合し、新しいiPhone体験を見せてくれるのか。
今後のアップデートに、改めて期待を寄せたいと思います。



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