【2025年最新版】急増する証券口座乗っ取り被害の原因と対策を徹底解説
2025年春、ネット証券を中心に証券口座の乗っ取り(不正アクセス)が急拡大しています。金融庁への報告件数はわずか2か月で数十件から数千件規模へ、不正取引金額は数千億円規模に達する可能性があると報じられました。
この記事では、
- 被害が急増した背景
- 攻撃者の典型的な手口
- 主な原因(技術・ユーザー行動・証券会社側)
- 今日からできる個人対策
- 証券業界・行政の最新対応状況
をまとめています。「自分は少額投資だから大丈夫」と思わず、チェックリストを参照しながら早急に対策を行いましょう。
目次
1. 被害が急増する背景
■ 金融庁統計:
2025年2月 33件 → 3月 1,420件 → 4月 4,852件(報告ベース)■ 報道各社の集計:
2か月半で1,400口座超・被害総額約3,000億円規模
従来は主にフィッシング詐欺に限定されていましたが、2025年に入り「不正売買で株価を操作し、利益を抜く」タイプの高度な乗っ取りが頻発しています。海外の犯罪組織が関与している事例も確認され、組織的・大規模な攻撃へと質が変化しました。
2. 攻撃者の手口 ― “売って買わせる” スキーム
- 偽サイトや情報漏えいでID/パスワードを入手
- 被害者口座へログイン後
─ 保有株を即時一括売却
─ 流動性の低い小型株や海外株を大量購入
─ 価格を吊り上げた後、自分の別口座で高値売り抜け - 被害者口座には急落リスクの高い株だけが残り、損失を押し付けられる
3. 主な原因 ― 技術とユーザー行動が重なった“複合要因”
原因 | 具体例 | ポイント |
---|---|---|
フィッシング | SMS/メールで正規サイトそっくりの偽URLに誘導 | URLが一文字違いなど精巧 |
パスワード使い回し | 他サービス流出リストを自動入力(リスト型攻撃) | 長年同じPWを使用の口座が狙われやすい |
インフォスティーラー型マルウェア | RedLine, Stealc がブラウザ保存PWを吸い上げ | 海賊版ソフト・怪しい広告経由で感染 |
SMS 2FA回避/SIMスワップ | 携帯回線を攻撃者が奪取し認証コードを受信 | SMSのみの2FAは突破例多い |
証券会社側の認証実装差 | PWだけで取引まで完結できる仕様が一部残存 | 金融庁がMFA義務化を検討中 |
4. 個人ユーザーが今日からできる対策(優先度順)
- MFA(多要素認証)を必ず有効化
─ アプリトークン・生体認証・FIDO2キーが選べる場合は最優先。 - 証券専用の長くランダムなパスワード(12桁以上+記号)を設定し、パスワードマネージャで管理。
- 公式URLをブックマークから開き、メール・SMS内リンクは絶対に踏まない。
- ブラウザに証券口座のPWを保存しない。既に保存済みなら削除し、端末のウイルス対策ソフトを最新に。
- ログイン履歴・保有銘柄を毎回確認し、「取引メール通知」を全てONにする。
- 出金先口座ロックや出金上限設定を利用し、変更には郵送・本人確認が必要な設定へ。
- 携帯キャリア側でもMFAを導入し、SIMロックを設定(SMS 2FAの乗っ取り対策)。
5. 証券会社・業界側の最新対応状況(2025年5月時点)
- 認証強化:金融庁が全ネット証券にFIDO2対応MFAの義務化を検討。
- 補償スキーム:SBI証券など10社が被害補償の共同基金を設立。
- 可視化・啓発:日本証券業協会(JSDA)が利用者向け注意喚起ページを常設。
- インシデント報告:不正発生時の即時公表・統計共有をルール化へ。
6. チェックリスト ― 設定済みか一目で確認
□ 証券会社のMFAを設定済み
□ パスワードは使い回していない
□ ブラウザ保存/自動入力をオフにした
□ 不審メール・SMSを即削除、URL不クリックの習慣
□ 取引メール通知を全てONにした
□ 出金口座ロック・出金上限を設定済み
まとめ
証券口座の乗っ取りは「誰でも被害者になり得る」時代に入りました。攻撃手法は複雑化していますが、階層的なセキュリティ対策(MFA+強力PW+端末管理+取引通知)を組み合わせれば、大半の攻撃は防げます。
この記事を読んだら、まずはMFAの設定とパスワード再発行を今日中に済ませましょう。安全な環境で、今後のNISA積立・長期投資を安心して続けてください。
コメント